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2018.11.09 - update

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ボカロP「作曲指南」インタビュー れるりり×takamatt

①れるりり×takamatt Part.1
①れるりり×takamatt Part.1

『心華EP~春とら!~』発売に際し、参加頂いたボカロPのお2人にインタビューしてきました!



 
今回は、2018/4月に心華楽曲「三月色」が全国のファミリーマート・サークルK・サンクスで流れた「れるりり」さんと、心華公式デモ曲「ココロハナ」の作者「takamatt」さんにガイノイドにお越しいただき、お2人の作詞・作曲のこだわりから、出会い、ボカロデビュー当時の思い出話、音楽のルーツ、制作スタイル等、様々なお話をお伺いしました!
お2人とも、リスナーに向けたインタビューは色々と答えられていると思いますので、ガイノイドでは敢えて「クリエイター」としての視点でインタビューを行っています。ボカロPを目指す方、DTMを始めたい方にも有益な情報が盛りだくさんです!

色々なお話を聞いていたら、とても濃い内容になってしまったので、2回に分けて掲載いたします。



■まずは、お2人の自己紹介をお願いします

れるりり : 有名ボカロPのれるりりです!年齢は秘密。血液型はA型です。
ボカロを始めたのは2009年です。

 

ハンドルネーム「れるりり」として2009年よりクリエイターとし活動を開始。
「脳漿炸裂ガール」「 厨病激発ボーイ」など代表曲多数。
ポップスを素養とした美しいメロディを特徴としながらも、ロック/ジャズ/ファンク/ブルース等、ブラックミュージックのエッセンスも取り入れた幅広い楽曲を生み出す、インターネット発のトップクリエイターとして活動を続けている。

 
https://twitter.com/rerulili

 
takamatt : takamattと申します。年齢は秘密、AB型です。AB型は意外とよく言われます。
ボカロを始めたのは僕も2009年で、細く長く生きて参りました。


しがない社畜系ボカロP。
2009年10月にはじめて動画サイト「ニコニコ動画」にてボーカロイドを使用した楽曲を発表。
以後、R&Bやレゲエを中心にマイペースにボカロ楽曲を投稿しつつ近年では声優、歌い手への楽曲提供なども行う。

 
https://takamatt91.tumblr.com/



 




心華デモ曲「ココロハナ」について


■さて、それでは早速、お2人それぞれに、今回書き下ろして頂いた心華楽曲についてお聞きしていきたいのですが。
今回のように、予め使うボーカロイドが決まっている場合、どういう感覚で曲を作っているんですか?


 

 今回は、実は珍しく「キャラクター」を重視して作りました。普段は、いわゆる「キャラソン」的な作り方はしてこなかったんですけど、今回は、どっちかというと「キャラソンに寄せた」つもりで作りましたね。
 

 (心華は)台湾のボーカロイドっていうのがあって、それを自分の中でどう膨らませるか……(心華は)設定が多くないので、自分なりに膨らませた部分はあります。
今回、タイトルは「ココロハナ」としたのですが、これは「心華」の漢字をそのまま日本語で訓読みしたものですね。

 
■なるほど、今回の「ココロハナ」、今までのtakamattさんの楽曲からすると、かなり「キャラクター」に寄せた曲だと感じました。

 
 作っている中で、そういう(キャラクターに曲を寄せる)のがマッチしてきたって感じもあります。
「キャラソン」として作った方が、合ったんです。





 
「三月色」の歌詞は女子中高生研究の成果?!□


■一方、れるりりさんの楽曲「三月色」は、どのような着想から作られたんでしょうか?
「三月色」は、学校生活に馴染めなかった女の子の心情をリアルに描いていました。

 


 今回はテーマから先に決めてますね。それで、心華の声に合わせて、メロディと歌詞は一緒に考えています。

 
■お2人とも、サウンドより歌詞のお話が先に出てきたので、まずは今回の楽曲も含めた「歌詞」についてお聞きしたいんですが……
ボカロPに限らず、「作曲」を始めようとする人が、最も詰まる部分は「歌詞」じゃないかと思うんです。


 
 うん、わかる!僕も詰まった。悩むよねえ。

 
■なので、いい機会なので、その「歌詞の作り方」について、お2人が意識していることを教えていただけないでしょうか?


 「女子中高生のことをよく調べなさい」ってことですね。

 
(一同笑)

 
 「女子中高生の気持ちになって書く」と。以上!

 
■今回の「三月色」も、学校生活を振り返る女の子の歌詞でしたね!(笑)
逆に、れるりりさんは「三月色」とは違うタイプの曲も作られますが、そういった際は、どういう風に考えるんでしょうか?


 
 そうですねえ……言葉って、長い歴史の中で使い古されちゃってるワケじゃないですか。なので、僕らはその使い古された言葉の組み合わせで新しいものを作っていくしかない。
そんな中で、「あ、この表現面白いな」みたいなことを常に探していますね。
「○○が●●になってたら面白いんじゃないかなー」みたいなところから、歌詞が始まることもあります。


 
■takamattさんは、どのように歌詞を考えますか?

 
 そうですねえ……まず、響きは大事にしますね。僕はどっちかというと、基本は「意味」より「響き」
今回の「ココロハナ」に限っては、意味をある程度重視したところもあるんですが……元々中国語しかなかったボーカロイドが日本語版になるということで、その「移行」する心境ですね。
この変化、「日本に来るということを心華自身がどう考えるか」「どういう気持ちになるのかな」っていうところ。

と、さっき言った「響き」を、上手くバランス取ろうとしてました。


 
■実際、かなりストーリーを感じますね

 
 そうですね、「ココロハナ」に関してはストーリーを意識しました。




 
歌詞に詰まったら「宇宙」を見ろ?!□


■そんなお2人に、「歌詞やメロディに詰まった時のテクニック」を教えていただけないでしょうか?
 

 テクニック……!

 これは誰かがやってた手法なんですが……まず、紙になんか歌詞を書くんですよ。
で、その書いた紙を“半分”に切って、「一行づつズラす」っていう。

 

■?!?!
 

 そうすると、「宇宙が広がる!」っていうのがあって(笑)。

 なるほど、それ面白いですね!
 
 なので、「(書いた歌詞が)イマイチだな」って思ったら、それやってみると、意外と面白い結果が出る……かもしれない(笑)。

 
■なるほど!宇宙!(笑)


 
 僕の場合は、「言葉の数を増やす」かなあ。メロディに歌詞を乗せて「イマイチだなあ」と思った時は、(同じメロディに対して)歌詞の語数を増やして、早口みたいにしちゃう!

 
全員 : ほぉ~!

 
 そうやって、リズムに乗せちゃう!

 
■文字数を増やす、というのは新鮮ですね!

 
 早口ボカロは批判された時期もあるんですけど(笑)、そこは緩急ですよね。
なので、Aメロがペラペラ早口になってたら、Bメロは少し大きい流れにする、とか。
そうすると、耳に馴染みやすくなるというか。

 
僕の曲は、リズムが割とハネたりする方なので、そういう(文字が多い)方が、リズムに乗りやすくなるかなと。



 
ボカロを始めたのは「ヒマだったから」


■ボーカロイドを始められて長いお2人ですが、そもそも、そんなお2人がボカロを始めたきっかけは何だったんですか?

 
 
 ……ヒマだったから。

 ボカロPがよく言うやつだ(笑)。

 
■シンプルですね!

 
 まあちゃんと話すと、当時(2009年)やってたバンドをやめて、でも音楽はやりたいじゃないですか。で、音楽やろうと思ったら、絶対ボーカルが必要じゃないですか。
でも、なかなかこう、(当時の経緯から)ボーカルって面倒くさいじゃないですか!
探すのも面倒くさいし、見つけてからも面倒くさい。

 
で、そこで登場したのが、ボーカロイド。画期的だったワケですよ。
言われたことを言われたとおりに歌ってくれるし、ワガママ言わないし、ギャラ払わなくていいし、サイコー!これはいい!ってカンジでしたね。


 
■なるほど。すると、当時からボカロに対してネガティブな感情は無かったんですか?

 
 あー、そういう点だと、僕、ずっと邦楽を聴き続けてきた人間なんで、歌詞がハッキリ聞き取れない音楽はあんまり好きじゃないから、自分が打ち込むときも、「絶対歌詞がハッキリ聞き取れるように」というのを大前提に音楽を作ってたんです。
でも、結構周りを見てると、あんまりそういうカンジじゃないんですよね。
なので、(当時)あんまり他のボカロ曲は聴いてなかったんですよ。


 
 僕も、ボカロ始めたきっかけについてはれるりりさんに似てますね。
当時は就職してしばらく経ってて、音楽あんまりやってなかった時期が長くて……でもやりたいとは思ってて。

2009年だと、リーマンショックがその前の年(2008年)にあったんですが、その影響でどこの会社も残業禁止になってですね……「とにかくヒマだ!」と。


 
(一同笑)

 
 うんうん。

 
■事情は色々あれど、お2人の共通点は「ヒマだったから」なのが面白いですね

 
 それで、ニコニコ動画とか見てたら、当時ちょっと気になったけど放っぽっといてたボーカロイドが、ネットで結構盛り上がってて。
「オリジナル曲を歌わせて動画で投稿する」って文化がもうあった時期で。「こういう土壌があるんだったら面白そうだな」って思って。

 
(れるりりさんと)共通してるのは、やっぱりボーカルが……(笑)。「歌モノをやりたいけど歌う人がいない」っていう状況が長く続いたんで。
そこの制約が外れたんで、一気にのめり込むようになりましたね。

 




 
ボカロが仮に無かったとしても、2人の目標は同じ□


■そんなお2人に聞いてみたいんですが、「世の中にボカロが生まれてなかったとしたら、音楽でこうなりたかった」という理想像はありますか?

 
 
 ない!

 
(一同笑)

 
■「無い」って言い切りましたね!

 
 バンドもダメになっちゃったし……。

 そう、ない!(笑)

 今、EDMのアーティストとかって、ボーカルはフィーチャリングして、トラックは自分が作って、自分名義でアルバム出す、みたいなのが主流なんですよね。ああいうのが理想でしたね。

 あぁ、それは分かる!
 
 邦楽だと、Jazztronicさんとかがそういうかたちなんですよね。
そういう、プロデューサー、作曲メインの人がフロントマンになって、色々な歌い手をフィーチャリングしてやっていくっっていう、アレが一つの憧れでしたね。

 
 あ、じゃあ、僕も同じ!同じ!

 
(一同笑)


 「無い」って言ったじゃん!
 
 でも僕、富田ラボとか好きで。あの人もやるじゃないですか、色んなボーカルをフィーチャーして。

 確かに。

 
■ということは、お2人とも、ボーカロイドを使う時は「フィーチャリングしてる」という感覚なんですか?

 
 そうですね、感覚は近いかもしれないです。2007年くらい(のボカロシーン)だと、ボーカロイドは「キャラソン文化」から来ているので、そういう人たちとはベクトルが逆ですね。
 
 そうですね、別に「ボカロPになりたくて」始めたワケじゃないから。
 
 「ボカロP」って(呼称は)、呼びたい人が呼べばいいと思っています。


■お二人とも、貴重なノウハウやエピソードをありがとうございます!
次回は、お二人の音楽のルーツなどに切り込んでいければと思っていますので、お楽しみに!

→Part.2へ続く

 
 

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